今回は、実際に民事信託(家族信託)の利用を検討した、又は民事信託 (家族信託) を利用した「きっかけ」や「タイミング」をご紹介したいと思います。
身近な方がきっかけで民事信託(家族信託)を利用
● 身近な方(親族や友人等)のご家族やご本人が認知症等により意思表示できなくなり・・・
・不動産を売却できなくなった、
・金融機関に預けてある預貯金が出金できなくなった、
・有価証券取引ができなくなった、
・資産凍結をされてしまい不便になった、損害がでた等の話を聞き
不安になって民事信託を利用
将来を見据えた対策として民事信託(家族信託)を利用
● 妻(夫)が認知症になり、将来の夫婦の財産管理に不安になり民事信託(家族信託)を利用
● テレビ等のメディアで、民事信託や認知症の特集を見て、民事信託(家族信託)を検討
● 高齢のご夫婦が障害をもつ子供の将来を考え、将来子供に残す財産を管理するため民事信託(家族信託)を利用
● 自ら経営する会社の事業承継を考えたが、株式を渡すことへの抵抗、
株式を渡すことでの税負担等を考え民事信託 (家族信託) を検討
・・・など将来のことを考えて、民事信託(家族信託)をはじめる方も多くいます。
民事信託(家族信託)を利用するきっかけはさまざま
いろいろな理由で民事信託 (家族信託) を検討、利用をされる方がいらしゃいますが、せっかく利用を決断され、弊所にご相談に来られてもご依頼をお断りすることがあります。
財産を信託する人(委託者)が既に意思表示できなくなってしまい、契約書を作成できないケースです。
遺言でも同じことが言えます。経験上、ギリギリで検討する方が多く、「もう少し早ければ」というケースが本当に多くあります。
遺言作成で「2時間前までは意識があった」ということや、「作成している途中に亡くなってしまった」ということもありました。
オーダーメイドの民事信託(家族信託)
民事信託(家族信託)の場合、契約の内容がオーダーメイドとなり、よりきめ細やかな財産管理を実現することができる反面、ある程度、組成までの時間(期間)が必要となります。
工程としては、
・信託の内容(ご希望)の聞取り、
・各種証明書類の収集、信託スキームの起案及び作成、
・信託契約書の起案及び案文の作成、
・公証役場との交渉、
・金融機関との交渉等
を経て公証役場で契約書を作成することとなりますが、実際に委託者の方の意思能力が必要なのは契約書作成時です。
できるだけ早めのご検討を!
民事信託(家族信託)の契約を行う際、ひとそれぞれに合う内容で作成するため、内容を検討していると、毎回、出来得る限り早いスピードで業務を行っていますが、早くても1か月程度、平均で2か月程度の時間がかかるため、残念ながら契約書作成を断念することも考えられます。
大切な財産ですので、ご自分のためにも、ご家族のためにも早い段階でのご検討を強くお勧めします。