新聞やテレビなどのメディアでも民法の改正の話題を頻繁に見かける方も多いと思いますが、2019年7月1日に民法(相続関係)改正法が施行されました。
ただ、できるだけ早く改正したいものや、周知や準備に時間を要するため施行を遅らせているもの等があるため、早いものは2019年1月13日から、遅いものでも2020年4月1日から段階的に改正がなされます。
どんなことが変わるのか簡単にご説明いたします。
相続に関する規定で大きく変わるのは6つ
- 配偶者の居住権を保護するための方策の創設
- 遺産分割
- 遺言制度
- 遺留分制度
- 相続の効力の見直し
- 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策の創設
先行して施行されたのが、自筆証書遺言の方式が緩和されるというもの等で、遅れて施行されるものが、相続人以外の被相続人の親族が、無償で被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件の下で、相続人に対して金銭請求をすることができるようになる規定です。
相続法の改正で注意したいこと
相続法の改正で分かりにくくなるのが、被相続人が施行日前に亡くなり相続が発生している場合と、施行日後に亡くなった場合の違いです。
施行日前に相続が開始していたものについては、改正前の民法が適用され、新しく改正法が施行されたからといって、取扱いが変わるわけではないことに注意が必要です。
ただし、相続を起点としない遺言書の取り扱いについては、改正前に改正後の方式で(例えば、全文自筆ではない、財産目録をパソコンで作成したものであっても)作成したものも、施行日以降に相続が発生すれば有効です。
まとめ
改正法施行前に共同相続された預貯金については、改正法の施行日以降には仮払い制度が利用できる等の例外もあるので、詳細な取り扱いについては、弁護士・司法書士等の専門家にご相談いただくのが安心かと思います。