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家族信託・民事信託ガイド

不動産と地面師詐欺~プロをだます手口~

更新日:

信託の話からは脱線しますが、先日大手ハウスメーカーが、東京の五反田駅近くの不動産取引で代金の一部(70億円のうちの63億円)を支払ったにもかかわらず、不動産の名義を取得できないという2017年におきた事件の初公判がありました。

当時いわゆる地面師詐欺だとして、新聞の紙面やTV番組で大きく報道されました。

その事件の地面師の手口、そこから学ぶ教訓について今回はまとめてみたいと思います。

「地面師」とは一体どんな詐欺師なのか?

辞書には「他人の所有地を利用して詐欺を働く者」とされています。

昔は、登記簿等を挿げ替えたりして、ウソの名義で売買をする犯罪でした。

しかし、今の時代は、偽造の技術進歩というありがたくないレベルアップにより、本人になりすまして取引に望むのが主流の手口のようです。

ではこの事件では何があったのでしょうか。

偽造された書類で登記できない隙に代金を持ち逃げされた

所定の手続きを踏んで、登記申請をしたものの土地の所有者に成りすました者による偽造された書類が、取引から8日ほど経った後の法務局の審査でひっかかり、登記手続きができないまま、その隙にその売主と連絡が取れなくなり、代金を持ち逃げされてしまったというもの。

弁護士や司法書士までもが騙された

この事件のケースは、不動産購入に際してプロである大手ハウスメーカーはもとより、この取引に関与していた弁護士・司法書士までもが騙され、巨額の損失を作ってしまいました。

なぜ不動産取引のプロたちが、またこんなに高額な取引なのにどうしてもっと慎重に対応して、この詐欺に気付けなかったのかと疑問に思う人も多いはずです。

プロだから故に騙された?

偽造されたパスポート(本人確認書類)や印鑑証明書がいくら精巧に偽造されていたとはいえ、つじつまの合わない事実が見つかることも多いです。

その場合、取引前にストップをかけ、慎重に対応するであろうし今どきは良い意味でコンプライアンスに非常にうるさく、そんなに簡単に騙せるもの(騙されるもの)でもないです。

ただ、やや専門的になりますが、この事件の売買は「所有権移転請求権仮登記」という、買う権利を以前に取引のあった業者から買い付けたことに、通常とは違う手口の怖さがあったようです。

要するに物件を急いで手に入れたいがために複数の警告があったにもかかわらず相手の話を鵜呑みにして見過ごしてしまったことが原因かと思います。

まとめ

用意周到に巧妙な手口で騙してくる相手にいつどこで遭遇するかわかりません。

いい話だからと取引を急いで相手の話を鵜呑みにし、確認を怠ることは決してあってはいけないことです。

安心できる登記制度のために存在する専門家である我々司法書士としては、このような事件が再び起こることがないよう、細心の注意が必要とされます。

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