先月に引き続き、少し民事信託(家族信託)から離れ、『遺言の必要性』について具体例をあげてご紹介したいと思います。
◇ 具体的な遺言の必要性を考える
『前の配偶者との間に子どもがいるケース』
夫は妻と再婚し、子が2人います。また前妻との間に子が1人います。
もし夫が亡くなった場合、相続人になるのは、現在の妻とその子2人に加えて、前妻の子を含めた4人となります。
今、夫と妻、子どもたちが暮らす自宅については、妻に相続させたいと考えています。
円滑に相続手続きを行うためにどんな準備をしたら良いでしょうか。
~法律面から考える~
このケースで夫が亡くなれば、相続人調査の中で、前妻との子が戸籍に登場します。
前妻の子には相続権があるため、相続人のひとりとして手続きに協力してもらうことになります。
このような事情で、『今住んでいるご自宅を円満に承継させたい』と考えているならば、夫は「自宅は妻に渡す」等の内容の遺言書を準備するべきでしょう。
また、妻や子には遺留分があるため、前妻との子の遺留分についても留意した上で、遺言書の内容を検討すると良いでしょう。
~手続き面から考える~
もし遺言書を作成していなければ、相続人全員の話し合いにより、誰がどの財産を受け継ぐかを決めることになります。いわゆる【遺産分割協議】です。
今回のケースのでは、妻とその子2人に加えて、前妻との子の4人で、財産の分割について納得いく話し合いをして、話し合いの結果を「遺産分割協議書」にまとめ、全員から実印を押してもらうことになります。
もし遺言書があれば、この【遺産分割協議】が不要となり、妻や子が、前妻との子に実印を押してもらいにいくことなく、遺言書に基づいた財産承継の手続きを進めることができるようになります。
妻と子の手続き面の負担を考えても、やはり遺言書の準備は必要だと思います。
ぜひ遺言書をご活用ください
遺言書を作成することで、妻や子、さらには前妻との子にとっても、手続き面での負担を軽減することができますので、ぜひ遺言書をご活用ください。
また、遺言書の内容をご検討される際には、生命保険の活用なども合わせるとより有効な場合があります。
せっかく遺言書を作成するのであれば、専門家に相談の上、確実な内容での遺言書を作成するようご検討ください。
もしお知り合いの専門家がいらっしゃらない場合は、当初でもご相談をお受けしておりますので、お気軽にご相談下さい♪
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